今日もスクラブで

カナダで過ごす私の日々。

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起こしてください。

オフ日の翌日、出勤すると、ロビーにキャンドルが灯っていました。このキャンドルは、入所者が他界した時に灯されます。!と思い、キャンドルのそばに行き、他界した入所者さんの名前を確認しました。キャンドルの下には他界した入所者さんの名前が掲示されるのです。

名前を見ると、やはり、あの人でした。

ここ数日、めっきり具合が悪かった乳ガン末期の入所者、NMさんさん。浮腫でバンバンに腫れた手足、シビアな貧血状態でも、この方は、最期まで自立していたかったのです。ドレッシングの交換の際に、おぼつかない手で、創部からの滲出液でシーツを汚さないよう、ドレッシングの上にタオルを巻いていたMNさん。「自分で出来るから、いいです。本当に、大丈夫だから。」 歩行がいよいよ困難になってきた2週間前からは、亡くなったご主人が使っていた杖を使い、歩くようになりました。「まだ自分でこうして歩けますから」と車椅子は、絶対に使いませんでした。

亡くなる日の朝、この方は、喋ることもままならない状態でした。意識は朦朧とし、経口の薬を飲むのもやっと、何か言いたそうなのですが、モゴモゴと、唸るような、と言う感じだったのです。彼女は、午前中から、ベッドで寝たきりでした。「この状態じゃ、あと一日かな」と一晩様子を見て、そう思ったのです。私が勤務時間終了になっても、消防隊への対応やらでばたばたしていたあの日、日勤者が帰り際の私に言いました。

「今、XXさんがね、起こしてください、って言っているの!」

私も、あの夜の相棒RNもそれを聞いて驚きました。あの状態で、起こして、と言っている、言ったのが、信じられなかったのです。あの強い精神力、痛みがあっても、決して、唸る、騒ぐことなどしなかったNMさん。彼女は、いつも静かにベッドに腰掛け、看護師が痛み止めを持ってくるのを待っていたのです。余命半年、と宣告され、私の施設に入所したのは数年前。NMさん本人も、「半年だって、言われたのに、こうして月日が流れてしまったの、痛み止めのコントロールでギャーギャー騒ぐ、嫌なババァだって思われているんじゃないかしら、私。」なんて言っていたっけ。(彼女は、けっして感情的になることは無かったのですがね。) 日勤のRNらも、包帯交換の際に彼女が声を一つあげず、処置を受ける姿に驚いていました。 癌性疼痛と長期にわたり、戦ったNMさん、ご冥福を祈ります。

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